小林一茶直筆手紙

小林一茶(長野県上水内郡信濃町出身で江戸時代の俳人、1763~1827年)が信濃町野尻の知人に宛てた手紙が新たに見つかりました。

清泉女学院大の玉城司教授(近世俳諧史)が中野市の表具店で見つけ、直筆と確認しました。

玉城司教授によると、ほかの同時代の著名な俳人に比べて小林一茶は手紙が少ないといい「一茶の人物像に迫る貴重な資料」と評価しています。

手紙は、縦約18センチ、横約38センチで、掛け軸に表装されています。

信濃町の一茶記念館も手紙の書き方や筆跡などで小林一茶の直筆と判定しました。

玉城司教授によると、信濃町野尻の問屋、魯童(ろどう)(池田伝九郎)に宛てた手紙で「草庵(一茶の自宅)に酒があるうちにお立ち寄りいただきたい」などと呼び掛ける内容。

文化7(1810)年から文政6(1823)年の間に書かれたとみられるということです。

小林一茶は、酒とたばこをたしなんでいたとされ、玉城司教授は「手紙からは日々の一茶の嗜好の一端がうかがえる」と分析しています。


手紙の末尾には大晦日の日付が記されています。

さらに、老いの力を意味する「老力」の言葉に続き、2句が追記されています。

一つは「爰迄(ここまで)と犬やふりむく雪礫(つぶて)」という句で、句日記「七番日記」に記述されている「おかしいと―」の類句で、玉城司教授は「全く新しい句と考えてもいい」と。

「雪佛(ぼとけ)我手の迹(あと)もなつかしや」という句も書かれています。

手紙は、10月21日~27日、長野市上野の清泉女学院大・短大図書館で開く「一茶とその時代展」で公開されます。

俳句が書かれた短冊なども展示。

玉城司教授は「一茶の人物像を実感してほしい」と話しています。


一茶とその時代展

一茶生誕250年にちなみ、「一茶とその時代展」を開催いたします。

新出の魯童宛一茶書簡や行方不明だった『探題句牒』、一茶自画賛等のほか、一茶の句が入集する俳書、一茶と同時代の俳人の自画賛や短冊など六十点ほどを集めた小さな展覧会です。

あわせて、初日の10月21日(月)に「展示品の全体像」についての、また10月26(土)、「一茶句の魅力と魔力」についての講座を本学教授玉城司が行います。

子どものころから一茶の句を耳にし、親しみを感じている方も多いことと存じますが、新しい一茶の魅力を知る機会として、多くの方にご覧いただきたいと企画いたしました。

日時

10月21日(月)~10月27日(日) 9:00~18:00 *最終日は17:00まで

場所

清泉女学院大学・清泉女学院短期大学 図書館1階閲覧室

長野市上野2-120-8

講座

①展示品の全体像 10月21日(月)10:00~11:00

②一茶句の魅力と魔力 10月26日(土)10:00~12:00

講師 玉城司(本学教授)

料金:無料

お問合せ先:図書館 TEL026-295-1320

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