衛藤良憲さん引退・全盲議員

九州でただ一人の全盲議員として活動する大分市議の衛藤良憲さんが今期(任期満了3月9日)で引退されます。

年齢を重ね、障害を抱えての政治活動に身体的な負担が増してきたためだそうです。

4期14年間、社会的弱者の目線からインフラ整備の課題や制度改正の必要を訴え続けてきました。

議員バッジを外した後も、大分県盲人協会長、日本盲人会連合理事として「障害者の存在を広く認知してもらう取り組みに残りの人生をささげたい」と語ってくれました。

左目が生まれつき見えず、右目も弱視で45歳のときにほぼ光を失いました。

大分県立盲学校を出た後、大分市内中心部で鍼灸院を開業。

「障害者と家族の悩みや苦しみを世の中にもっと知ってもらわなければ」と大分市議選に立候補。

1999年の補選で初当選。

以後、当選を重ね、昨年12月まで毎回、定例市議会一般質問で市政の課題を指摘してきました。

その数55回。

大分市の職員採用で点字受験ができるようになったり、大分市の施設のバリアフリー化が進むなど、自らの訴えが施策に結び付いたケースもあります。

障害者に対する市民の目線が年々優しくなってきたと感じられます。



知り合いの視覚障害者から「バスで席を譲ってもらった」「道端で立ち止まっていると行き先を尋ねられた」といった話を聞くことが増えました。

「議員活動を通して、世の中に障害者への関心を高めてもらう一助になったのであれば光栄」と衛藤良憲さん。




議員生活で最も苦労したのが選挙戦。

支持基盤がなく、「障害者団体や鍼灸師仲間など、手弁当で一緒に戦ってくれた支援者たちに助けられた」と感謝。

政治の世界からは去りますが「障害者だけでなく、若者や女性など、さまざまな立場の人に議会で活躍してほしい」と後進に期待を寄せました。

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